私は28歳の頃に転職をしました。
しかし、年収は上がっていません。横ばいです。
それでも、私は転職して良かったと思っています。
なぜなら、転職で手に入れたのは「お金」ではなく「時間」だったからです。
前職の働き方と年収
前職では、新卒~28歳まで、建設コンサルタントとして働いていました。
建設コンサルタントとは、道路・橋・ダム・水道といった社会インフラを整備する際に、技術的なアドバイスや設計を行う仕事です。
いわば、インフラ整備の“頭脳”のような存在です。
一方で、業界柄、残業は当たり前という空気がありました。
週に1回のノー残業デーはあるものの、それ以外はほぼ毎日残業。
平日は毎日20時頃まで働くのが通常で、遅い日は、22時近くになることもありました。
1月~3月の繁忙期には、土曜出勤や祝日出勤もあります。
月の残業時間は、多い時で50~60時間。少ない時でも20時間はしていました。
(人によれば、月80時間していた人もいます。)
しかし、悪いところばかりではありませんでした。もちろん良い面もありました。
建設コンサルタントでは、下記のようなメリットもあったかと思います。
・インフラ事業という「地図に残る仕事」に携われること。
・高い技術力を磨くことができ、手に職がつくこと。
・技術士を取得すれば市場価値が上がり、高い給与水準を期待できること
また、残業代はきちんと支給されていたため、残業が多い翌月は給与も増えました。
頑張った分だけ、数字として返ってくる。
やりがいも、将来性も、収入も、決して悪くはなかったと思います。
年収は、残業に左右されますが、450万~550万くらいは貰っていました。
転職を考えたきっかけ
それでも、心のどこかにずっと違和感がありました。
平日は仕事中心の生活。
ご飯を食べて、風呂に入って、寝るだけ。
繁忙期の土曜日は出勤の可能性があるため、予定も入れづらい。
休日も、遊びに行くというより「疲れを取るために寝る日」になっていました。
そして、ふと周りを見渡したとき。
上司や管理職の方々は、毎日のように22時まで残っている。
土曜日もほぼ毎週出勤している人もいる。
責任が増えれば、さらに忙しくなる。
それが“出世”の現実でした。
その姿を見たとき、思いました。
「自分もこの働き方を続けるのか?」
正直に言うと、私は嫌でした。
将来、家族ができて、子どもができたとき。
平日の夜も一緒にいたい。
家族みんなでご飯を食べたい。
休日は、ただ寝るだけではなく、出かけたい。
でも、今の働き方を続けていたら、それはきっと難しい。
年収は上がるかもしれない。
けれど、その代わりに失うものも大きい。
そう考えたとき、初めてはっきりと決意しました。
「将来のために、転職しよう」と。
いざ転職活動へ
「転職しよう!」と決めたものの、
すぐに仕事を辞める勇気はありませんでした。
生活もあるし、将来もある。
だから私は、働きながら転職活動をすることにしました。
まず最初にやったのは、転職エージェントへの登録です。
私が登録したのは、次の3社でした。
- リクナビNEXT
- リクルートエージェント
- マイナビ転職
正直、いきなり「転職する」と決めていたわけではありません。
実際に一度、第三者に自分の状況を話してみると、頭の中が整理されました。
- 今の会社の何が嫌なのか
- 本当は何を大切にしたいのか
- 転職しなくても解決できるのか
不思議と、自分の考えがクリアになります。
そして思いました。
“転職”は大きな決断だけど、
“転職活動”は誰でもできる行動だ、と。
話を聞いた結果、
「やっぱり今の会社で頑張ろう」と思えば、それも立派な選択です。
でも私は、動いたことで、自分の本音に気づけました。
そして最終的に、「時間を買う転職」を選びました。
転職後
転職後も、業界は同じです。
ただし、ポジションは上流工程から下流側へ変わりました。
条件としては、月平均残業時間10時間で年収500万円台。
責任の質は変わりましたが、精神的なプレッシャーは明らかに軽くなりました。
そして一番大きな変化は、働き方です。
前職では毎日やっていた残業が、
現在はほぼなし。
毎日当たり前のようにあった20時以降の残業は、ほとんどなくなりました。
毎日18時台に帰っています。
平日の夜に余裕が生まれ、予定もいれられるし、趣味や好きなことに時間を充てられる。
平日の夜は、家でゆっくりしたり、ジムに行ったり、妻と一緒に料理を作ったり。
翌日の仕事を気にせず眠れる。
休日も「疲れを取る日」ではなくなりました。
体力も気持ちも、以前よりずっと軽い。
年収は大きく変わっていません。
それでも、人生に余白ができたようで
平日の夜に予定を入れられるだけで、人生はこんなに変わるのかと思いました。
私は、確実に“人生の密度”が変わったと感じています。
正直なデメリット
もちろん、いいことばかりではありません。
デメリットもあります。
私がリアルに感じたデメリットを書きます。
やりがい
まず一番感じたのは、「裁量の大きさ」が減ったことです。
前職では、プロジェクト全体を見渡し、判断する立場でした。
責任は重かったですが、その分やりがいも大きかった。
今は実務に近いポジションになり、
意思決定の場面は以前より少なくなりました。
正直に言えば、物足りなさを感じる瞬間もあります。
成長スピード
上流工程にいると、否応なく視野が広がります。
案件全体を俯瞰し、リスクを考え、調整を行う。
あの環境は、間違いなく成長スピードが速かった。
今は、良くも悪くも“安定”しています。
急激な成長は少ないかもしれません。
キャリアという観点だけで見れば、
遠回りに見える人もいると思います。
それでも私は、「今の自分の優先順位」に合っていると感じています。
最後に
人生は、人それぞれ価値観が違うと思います。
仕事でバリバリ働きたい人。
できるだけ多くの年収を求める人。
出世を目指し、責任ある立場で挑戦し続けたい人。
どれも、間違いではありません。
ただ、私はそこそこで良かった。
そこそこ働いて、
家族との時間も大切にする。
年収を最大化するよりも、
人生のバランスを整えたかった。
その理想に少しでも近づくために、私は転職を決意しました。
この選択が、将来どう評価されるかは分かりません。
でも今は、以前より穏やかな気持ちで働けています。
もし今、
「このままでいいのか」と少しでも感じているなら、
一度立ち止まって、自分にとっての“優先順位”を考えてみてもいいのかもしれません。
転職するかどうかは、そのあと決めればいい。
でも、自分の人生のハンドルを握っているのは、自分だけです。
それでは、また。


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